コント 『言えない台詞』
コンビニの店内
新人のバイト店員が、先輩のバイト店員が見守る中、初めての接客に
挑戦しようとしている
先輩「接客は初めて?」
新人「はい。 なので緊張しています。」
先輩「大丈夫だよ、ちゃんと助け舟を出すから。」
新人「ありがとうございます」
先輩「この時季は温かいものを買っていくお客さんが多いから、そういう時はこう言うんだ
『こちら温めますか?』」
新人「温めますか?」
先輩「そう。それさえ言えれば問題ないよ。 あ、来たよ。」
新聞を持った、少し柄の悪そうな客がレジに来る
新人、先輩「いらっしゃいませ」
客「あとこれね」
客、レジの横のウォームメーカーに入っている缶コーヒーを一緒に出す
新人「あた あた あたかめますか?」
客「あ?」
先輩「んんー(咳払い)」
新人「あた あた あかためますか?」
客「なに?」
先輩「落ち着いて。」
新人「あた あた あらためますか?」
客「何をだよ?」
先輩「改めて、言おう。」
新人「あた あた あたりまえですか?」
客「何が?!」
先輩「がんばれ。」
客「うるさいよおまえ」
新人「あた あた あたためてくれますか?」
客「やだよ気持ち悪い!」
先輩「惜しかった。」
客「うるさいんだよだから!」
新人「あた あた 朝型ですか?」
客「関係ないだろ」
先輩「朝は、パン派です。」
客「おまえ何なんだよ!」
新人「あた あた アガサクリスティー?」
客「のわけねーだろ!」
先輩「そして誰も居なくなった。」
客「黙ってろってだから!」
新人「あた あた あしたまにあーな?」
客「ちょっと懐かしいな」
先輩「濱田マリでした。」
先輩、客に『See You』を言わせようと促す
客「言わねーよ!」
新人「あた あた 稚内出身ですか?」
客「・・・ただの質問になってるじゃねーか!」
先輩「そうです。」
客「そうなのかよ!」
新人「あた あた あなたと私は分かり合えますか?」
客「知るかそんなこと!」
先輩「力になるよ。」
客「何のために?!」
新人「あた あた 戦いますか?」
客「なんでコンビニ来て戦わなきゃならないんだよ!」
先輩「ファイッ!」
客「だからおまえ黙ってろって言って―――」
新人「―――あた あた あーたたたたたたたたたたたた あたぁ!」
客「ふざけてんだろおまえ」
先輩「おまえはもう、死んで―――」
客「―――ねーよ!」
新人「あた あた あいつはそんなに悪い奴じゃないですよ。」
客「だーれーだーよ!」
先輩「許してやってもらえませんか?」
客「なーにーをーだーよ!」
新人「あた あた 諦めますか?」
客「そうするわ」
新人、先輩「ありがとうございましたぁ」
おしまい